イザベラ永野：そういえば、本名で官能小説書いている女性ってほかにいないですよね。親戚にバッシングされたりしたことないんですか？

開田あや：うちの親戚そういうのぜんぜんないんです（笑）。

開田裕治：逆に「体裁が悪い！」とか1回くらい言われてみたいよね（笑）。

イザベラ永野：ステキな一族じゃないですか！

開田あや：このまえも大阪の親戚で法事があって、開田の年上の従兄弟がその場でiPhoneを取り出して「わ！　裕治くんキミウィキペディアに載っとるやないか！」って。「有名人しかここには載らんのやで～。お!?　妻の開田あや……は官能小説家！　ほれほれ見てみぃ」ってまわりの親戚にも見せ始めて……。

イザベラ永野：はいはいはい（爆笑）。

開田あや：さらにアマゾンでその場で私の書いた小説を検索しはじめちゃって「買ったで！？　明日届くわ」って（笑）。さすがに恥ずかしくて「やめてください、やめてください！」って言いました。

イザベラ永野：あはははは！　スマホ使いこなしてウィキで調べてアマゾンでさくっと買い物できるなんてイケてる従兄弟さんですね。楽しそうだなあ。ほかになにか武勇伝はありますか？

開田あや：わりと脱いでますね。

イザベラ永野：えええええ！　コスプレだけじゃないの？

開田あや：ヌードモデルはけっこうやっています。アラーキー（※1）にも撮ってもらったことあるんですよ。雑誌のダ・ヴィンチの読者モデルで募集していたときがあって。あれは良い思い出ですね。

イザベラ永野：サラっと言いますねぇ！　かっこいいなあ。

開田あや：色んな意味で丸出しですよね。面白そうなことは、やっておこうかなって。

イザベラ永野：そこがかっこいいんです。ご主人の開田さんはそういうの気にならないのですか？

開田裕治：いや、ぜんぜん平気。

開田あや：まあなんか恥知らずも才能のうちなのかなって。最近は小説も書いてないですし脱いでもいないですからカイダの展覧会で絵やグッズの販売員をしてたりします。

イザベラ永野：開田さんの個展って１年中どこかしらで開催されてますもんね。あやさんの場合、打ち合わせや準備もあるでしょうし販売のお手伝いまでたいへんそう。

開田あや：会場に接客する人がいた方がいいですからね。売り上げも違ってきますし！　それにいろんな方と出会えるチャンスも大事なんです。8月にbunkamuraギャラリーで開催した幻獣神話展も、キュレーターの方が開田主催の別のグループ展を見に来てくださったのがきっかけで企画を売り込んで実現したんですよ。

イザベラ永野：営業マンとしても優秀！　軍艦島、池島のツアーもあやさんが発起人なんですもんね。参加者もあやさんが集めるのですか？

開田あや：そうですね。ネットで見つけた面識のないイラストレーターの人も誘ったりして参加していただきました。

開田裕治：会ったこともない人をいきなり誘ったあげく「じゃ長崎の港、集合で！」って（笑）。

イザベラ永野：現地集合！　我が道を行ってますねぇ。まわりと違うとかそういうこと気にすることがないわけですか。

開田裕治：悩まないから。「こんなんでいいのかな？」って思わないからだろうね。

開田あや：とりあえず興味持ったらやってみたほうがよくないですか？　ダメだったら撤退すればいいんですよ。当たってみてイヤな人だったらその後付き合わなければいい。

イザベラ永野：おふたりの強さはそういうところなんですよね。うーんやっぱかっこいい！でもマネできない。